埼玉県川口市のイタリア車専門店 ースティーレー

  • 株式会社 Stile(スティーレ)
  • 〒334-0056 埼玉県川口市峯216−1
  • TEL 048-229-2280
  • FAX 048-229-2280
  • OPEN:平日:11:00~20:00
    休日:10:00~20:00
  • 定休日:月曜日、レース・イベント日

JOY耐出場にあたって。

前回のブログから一般整備はもちろんしてますが、耐久レースの車輌作りに日々頑張り中々上げられずにいました。

本番一か月前の練習走行中に147セレが廃車同然のクラッシュを起こしてしまいましたが、あきらめの悪い僕らはサルさんの147GTAをJAF戦対応に作ってJOY耐に臨む事を決意したからなのです。

JAF戦の規則というかJOY耐の規則というか、、、は、いろいろと細かく定義が有り、そこに合わせる様に車を作るのは結構大変で、、、特に草レース仕様になってる車は純正に戻す所やサーキット走行内での安全に対する徹底した基準部品の追加などなど。
例えばロールケージも年式によって形やバー点数が違い、規則書を読んでも見解の違いなども有り自分らで勝手に判断したら痛い目みる感じになってます(笑

初めて「バラスト」っものを積みました。(バラストとは重りの事、最低車重ってのがクラスごとにあり147GTAはそれを満たして無かったので90キロのバラストを積みました。。。)

そんなこんなで車造り、サーキット走行テスト、燃費テスト等々6月末から7月18日までバタバタでした。

P1030395P1030394 P1030393 P1030392 P1030391 P1030390 P1030389 P1030388

そして、本番は、、、、、

臨場感ある、ジュンペイちゃんが書いたブログを見て下さい。
本当は写真付きなのでフェイスブックを見てもらいたいのですが、個人のものをココに出すのはどうかと思って文だけにします。
(STILEのフェイスブックにはシェアしてます。)

以下ジュンペイちゃんのFBから拝借

——————————————————————————————————————————————-

結果から先に言ってしまうと、今年も無念のリタイア。

昨年の悔しさをバネに臨んだJoy耐だった。

この日の為に、ドライバー、メカニック、サポーター、全員が気持ちを1つに、全力を出し切った結果だから、これが今のこのチームの最大限の実力なのかもしれない。

前日の予選から、サポートは黙々とそれぞれ持ち場、役割をこなし、ドライバーは息のピッタリ合った3人が会心のタイムを刻んで、全員で掴んだ決勝8番グリッド。

グリッド整列では、サポーター皆んなでチェッカーラインを超えて、GTA-SAR号を8番グリッドまで押して行く。

決勝開始前のピットウォークでの写真撮影では、オーナードライバーの猿渡を始め、ドライバー3人(上松、猿渡、太田)とも最高の笑顔を見せる。

10時。迎えた決勝ではスタートドライバー上松のオーバーテイクショーで次々と交わして2位までジャンプアップ。ピットを大いに湧かせた。

第2走者の太田も、急遽2.0L/セレ→3.2L/6MTにマシン変更になったにも関わらず、マシンの特性とV6のアドバンテージを最大限に活かした走りでクレバーに操り、キッチリとアジャストしてみせた。

今回、アンカーを務める猿渡。
昨年は決勝の舞台を走る事なく終わった悔しさを、今年は愛車のSAR号で、信頼を築いたドライバー2人と、サポートメンバーとして駆け付けたSTiLENiAの仲間達に囲まれて、純粋に楽しんでコースに軌跡を描いている。

ドライバー交代時には、3人が其々マシンの状態やサーキットコンディション、他チームのマシン状況などを的確に伝えあっていて、チームワークが実に良い。

クラスハンデの11分間ピット停止。ドライバー交代時に毎回給油が必要となる燃費効率から、最終順位は、50〜55位/90台中が最高位の計算だった。

それでもアルファに拘り、アルファだからこそ繋がった輪で、耐久に参戦し結果を残したい。
其々の誇りと矜持を持って、7時間という軌跡をコースに刻み、ドライバー、メカ、サポート全員で紡いでいく。

12時。ROCKさんの美味しいケータリングでお腹を満たし、疲れた身体を癒やして、陽射しの照り返しと体力的にもキツイ午後の時間帯を、折目監督の立てた戦略と全員のチームワークで交代時間含め、全てが順調なぐらいに作戦通りに進んで行く。

ドライバー3人が1人3回、合計9スティント走る作戦。タイヤ交換は一回のみで、極力シンプルに無駄を省く作戦である。

13時。第4スティントに入り、途中SCが1度入るも、コース上の上松の瞬時の状況判断と、丁度ピットイン時間と重なっていた事もあり、ピットクルーも待ち構えていた。タイムロスなく、第5スティント太田に繋ぎ、66位/90台中まで詰めてきた。

14時半。第6スティントの猿渡が裏ストレートを怒涛の加速で駆け抜けて、90度コーナーに入る手前でのシフトダウンの吹け上がりの音がおかしい。
深野が気付く。ミッションの入りが悪そうだ。
予選終了時から、3、4速間のシフトの入りが悪い問題を抱えているのは、メカの伊藤も認識していた箇所だった。
GTA3.2V6のシフトフォークの弱さは、如何してもウィークポイントになる。

緊急ピットインし、第7スティント上松に交代しメカとしての判断を仰ぐ。
その間、給油サポートチームも、準備し待機エリアで待つ。

レーシングスピードに乗れずに1周を終えて給油エリアに向かわずに直接ピットに帰還する。

ドライバーであり、メカであり、猿渡の積年の思いを誰よりも一番知っている上松の判断は、「ここでリタイアしよう」だった。

15時過ぎ。GTA-SAR号リタイア確定。

3、4速間のシフトフォーク内部が折れて5速に噛み込み、使えるのは1、2、6速のみ。この状態でコースを走るのは他のエントラントに対しても危険であると判断した。

全員でミーティングする。
「ならば、17時終了目前にコースに復帰して最後チェッカーを受けるだけでも出来ないのか?」
此処まで重ねて来た周回数は90周余り。Joy耐の規定では「完走扱いとなるには70%を超えて無いと認められない。」
折目監督が計算した結果、「あと20周は重ねないといけない。」現実的では無かった。

誰もが無念さを胸に抱えて、言葉にならない悔しさを飲み込む。

ピットに静かに佇むSAR号に目を向けると、皆んなを完走まで連れて行ってあげられなくて、申し訳なさそうな顔をしている様にも見える。
苦渋の決断後、猿渡がSAR号に労いの言葉を掛ける。
「お前も満身創痍だったな。此処まで本当に頑張ってくれてありがとう。」

タイヤカスの付いたボディ、右ドアは接触で痛々しく凹み、路面温度と有り余るトラクションで、タイヤもブロックが剥がれていた。

アルチャレ仕様からJAF戦仕様変更の為、ロールゲージを組み、重量規定を満たす為に90kgのバラストも載せた。

オーナーの愛情を一身に受け、SAR号はきっと幸せに違いない。

猿渡のサーキットを愛する純粋で直向きな熱い想いが、周りをどんどん巻き込んで行く。
「去年2時間で今年は5時間走れたから、合わせて7時間。2年掛かりで耐久走りきったじゃん。」
皆んなの空気を変えようと、猿渡自身が軽口を叩く。

「無事に完走して皆んなで泣きたかった夢」は、また来年まで神様にお預けにされたが、毎スティント後、ドライバー3人が「最高に楽しかった〜」と最高の笑顔だったのが、”結果だけが全てではない”という”レースの醍醐味”を端的に現していた気がする。

そう。

思い通りに行かないから、レースは面白い。