Race Reportレースリポート
Alfa Romeo Challenge 2016 Kanto Rd.3 in FSW
『切磋琢磨』
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STiLENiA DRIVERS LINEUP
[SR]No.11 上松淳一 No.39 西澤嗣哲 No.85 高橋拓也
[SR2]No.422 内海直亮
[MR300]No.10 木村隆哉
[MR200]No.77 瀬上透
[AR300]No.51 伊藤由明 No.100 前田一郎
[AR150-1]No.15 渡辺幸雄
[AR150-2]No.72 猪股義周
[AR150-4]No.607 関山淳
Threehundred
[AR150-2]No.199 武尾洋太
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【快晴のドライ】
爽やかな風がピットを駈け抜ける。昨日までの大雨が嘘のように、快晴となった富士で迎えたARC関東Rd.3。直接陽射しが降り注ぐコースは暑さが堪える。凌ぎを削るエントラントは皆、走行を終えると汗だくでヘルメットを脱いでいる。
STiLENiAからは全11台がエントリー。前半戦を折り返し、参戦を見送ったエントラントに対してポイントを少しでも稼ぎたいところ。
9:56からのレースA予選。#72"長老"猪股が2'12.057で総合3位/クラス3位と好位置に着けると、#199ぽっけ 2'12.830 総合6位/クラス5位。#607セキジュン 2'17.036で総合12位/クラス1位と好発進。13:38からの決勝に期待を込めた。
続く10:50からのレースB・C予選で#10きむぅーにアクシデント!
3周目のアタック時、100Rを抜けたヘアピン入り口で痛恨のクラッシュ!!!
2'02.978を刻み、総合14位/クラス5位に着けて居たが、決勝を待たずにリタイアとなってしまった。
幸いにもハンスなどの安全装備のお陰で、身体に怪我は見られなかったが、愛着あるマシンを失いショックは大きいはずた。
予選赤旗となり、各マシン思うようにアタック出来ずに終了となる中、#11上松は貫禄の1'58.750を出し、予選総合2位/クラス1位。
#85拓也は1'58.942で予選総合3位/クラス2位。
コンマ2秒以内と上松を射程圏内に捕え、"ガチンコバトル"となる決勝が楽しみである。
続いて#39西澤が、2'01.327 予選総合8位/クラス6位。
本人はSR2クラスの参戦を見送ったにも拘らず、STiLENiAのチーム監督としてサポートに駆け付けたぴたお監督。
予選アタック前、同クラスのあっずに熱心にアドバイスを送る。
この献身的な姿勢こそが、STiLENiAの真骨頂であるし、メンバー誰もが信頼している。
SR2クラス。表彰台の常連となるライバル達が軒並み参戦を見送った今回、#422あっずが気を吐き、2'09.027で会心の(クラス)ポールポジションを獲得(総合19位)!!!
決勝は初優勝に期待が掛かる。
AR300クラスの#100イチロー、#51ヨシアキ、AR150-1クラスの#15コジパパが三つ巴の2'10.台で混戦の予選を終えた。
#100イチロー 2'10.670 予選総合21位/クラス1位。
#15コジパパ 2'10.957 予選総合22位/クラス3位。
#51ヨシアキ 2'10.980 予選総合23位/クラス2位。
MR200クラス、#77セガミン 2'12.727 予選総合27位/クラス1位で、ライバル"ベンジャミン"に僅差で競り勝ち決勝を迎える。
【混戦のレースA】
13:45 迎えたレースA決勝。
#199ぽっけが抜群のスタートダッシュを決め、各マシン、1コーナーへと傾れ込んでいく。混戦のラインで#199ぽっけのプントエヴォが後続のMiToに押し出されるカタチで、#72長老の黄色に擦りながら、そのままグラベルの退避エリアへと避難しリタイアとなった。その後ろを#607セキジュンが巻き込まれる事なく綺麗な弧を描いて抜けていく。
パワーウェイトレシオに勝る"小犬"MiToやルーテシアに後塵を拝し、4位で食らいついて行く#72長老。しかし焦る事なく虎視眈眈と上位を食わんとしている。
後半、ターボの垂れた"小犬"MiToを仕留め、3位に浮上すると、更に上位陣を喰わんと猛追するも、1位を走るgtvと2位のルーテシアにはあと一歩及ばず、チェッカーを受けた。
#607セキジュンも後半調子を取り戻しペースを上げて快走した。最終LAPの最終コーナー、ガス欠になり止まるハプニングもあったが、何とか自走し嬉しいクラス1位で終えた。
#72長老 2'12.155↘︎ 総合3位/クラス2位。
#607セキジュン 2'17.915↘︎ 総合20位/クラス1位。
【GTA vs 4C】
灼きつける太陽がサーキットの路面を焦がし、浮かぶ陽炎。
レースB・Cの決勝スタート、茹だる暑さからエントラントの各マシンがギリギリまでドアを開けていた為、オフィシャルから厳重注意を受け、スタート開始時間が遅れた。
その後、各マシン一斉にスタートするも、#100イチローが電気系のトラブルでスタート出来ず赤旗中断。リタイアとなりマーシャルにコース外に運ばれていく。
14:50。こうして、タイスケより20分遅れで、全6LAPでリスタート。
各マシン、エグゾーストを響かせて、怒涛の如く1コーナーへ突っ込んで行く。
幻となった1回目のスタートで#85拓也が鮮やかにそして完璧にスタートダッシュを決め、#11上松を華麗に抜き去ったのだが、2回もさせまいと上松もインのインを死守し、割って入らせない。
各マシンが一斉に1コーナーに飛び込んで行く圧巻の光景。その後を#39西澤が続く。
ポールを取ったETCC500のSL55 AMGは、戦闘力の違いを見せ付け遥か彼方に消えて行く。
その後ろを#11上松が追う展開。更にその後ろを#85拓也が猛追していく。最初は縮まらないだろうと思っていた車間差を徐々に詰めて行く。
#85拓也が、最終LAPに入るストレートで#11上松のマシンにスリップストリームに入り、上松駆る156GTAの150m看板のブレーキングポイントよりも奥の100m看板を過ぎてブレーキング!
頭一つ出て1コーナーで上松を捕らえ刺す!!!
そのまま、コーラをチョンブレで踏み抜き、続く100Rを暴れる4Cを押さえつけながら、ヘアピンに入る。
空かさずそのインを突き、抜き返す#11上松。
300Rでまたもや抜き返す、#85拓也。
ダンロップで#11上松がインを刺す!!!
手に汗握る攻防の末、最後の後半セクションをテールトゥノーズで迫る#85拓也を、ラインも乱れ土煙を上げながらも辛くも逃げ切り、#11上松がSRクラス優勝を掴んだ。
#11上松 1'59.502↘︎ 決勝総合2位/クラス1位。
#85拓也 1'58.806↗︎ 決勝総合3位/クラス2位。上松をも凌駕する魂の走りで、予選よりもタイムを上げ、SRクラス1・2フィニッシュを決めた。
#39西澤はライバルの#806鉢呂4Cを攻略出来ず、後塵を拝し終盤追い縋るも一歩及ばずフィニッシュ。
#39西澤 2'00.814↗︎ 決勝総合7位/クラス5位。
SR2に昇った#422"あっず"が並み居る強豪ライバルが休戦とはいえ、初めての予選1位で決勝を迎えた。リスタート後も集中力を切らさずに、粘り強い走りを披露。1コーナーのイン側のラインをライバル"おの金"に取られ、左には#51ヨシアキが居る。そのままコーナーをスリーワイドに展開しながら駆け抜けていく。続くコーラでは#422あっずが負けじとイン側を取る。どのコーナーも混戦にまみれ、終始サイドバイサイドで接戦を演じていたが、終盤徐々に"おの金"を引き離し、ポールトゥウィン!念願のクラス初優勝を捥ぎ取った!
SRクラスダブル優勝と華を添えた。
#422内海 2'09.099↘︎ 決勝総合16位/クラス1位。
AR300クラスの#51ヨシアキも忙しいメカの合間を縫って久し振りの参戦。
決勝はスタートの混戦に出遅れて後方に沈んで居たが、後半調子を取り戻し予選時よりもタイムを上げた。最後は同クラスのライバル147GTAを抑え、クラス優勝を決めた。#51ヨシアキ 2'08.692↗︎ 決勝総合18位/クラス1位。
AR150-1クラス、#15コジパパも混戦のリスタートを、レース勘の冴えた走りでイン側を綺麗に抜けていく。同クラスのライバル147GTAに徐々に離されるも、後続の147GTAは抑えクラス2位で嬉しい表彰台となった。
#15コジパパ 2'11.410↘︎ 決勝総合20位/クラス2位。
MR200クラス、#77セガミン。レース日を迎える前日にミッション交換をし、当日リアウイングを外して臨んだ。プラ前にはドラシャ交換のトラブルもスティーレの迅速な対応により、この決勝グリッドに着くことが出来た。毎回、同クラスの猛者である"ベンジャミン"の胸を借りて、切磋琢磨し熱いバトルを繰り広げているが、今回も例外に漏れず、大接戦を堪能したようだ。
1コーナーをサイドバイサイドで並んで入ると、続くコーラでは頭一つ抜き出て、抜きつ抜かれつのデッドヒートバトル。後半、テクニシャン"ベンジャミン"の後塵を拝し、惜しくも2位で終戦するも、本人も「熱いバトルが出来て清々しい気持ちで一杯だ」と満足気な表情を見せた。
この決勝でベストタイムを上げたという結果が全てを物語っているし、ここ最近リタイアと成らずにレースを終える地力が着いてきたように思う。
#77セガミン 2'12.518↗︎ 決勝総合23位/クラス2位。
クラッシュやリタイアなどの憂き目もあったが、切磋琢磨するライバルとの阿吽の呼吸によるサイドバイサイドやテールトゥノーズの大接戦のバトルを各クラスのエントラントが楽しんでいたように思う。それぞれが真剣にサーキットに懸けて臨んでいる。全レースが終了しひっそりと静まり返ったコースに目を落とすと、栄光も挫折も全てがそこに凝縮されてあった。今日という一日も泡沫の夏の夢なのかもしれない。
次戦は"真夏の祭典"、Idlers12h耐久!今年はどんなドラマが待っているのか?
写真提供(ごりごりにごり、Jp)