Race Reportレースリポート
AlfaRomeo Challenge 2016 Kanto Rd.2 in FSW
『勝ちきる力』
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STiLENiA DRIVERS LINEUP
[SR]No.11 上松淳一 No.39 西澤嗣哲 No.85 髙橋拓也
[SR2]No.13 高梨宏幸 No.101 大谷飛雄 No.422 内海直亮
[MR300]No.10 木村隆哉
[MR200]No.77 瀬上透
[AR300]No.100 前田一郎
[AR150-1]No.15 渡辺幸雄 No.31 須永裕貴
[AR150-2]No.65 猪股義周
[AR150-3]No.38 笹原敏浩
[AR150-4]No.607 関山淳
[AR150-5]No.155 森本聖
Threehundred
[AR150-2]No.199 武尾洋太
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爽やかな五月晴となった富士を舞台に迎えたARC関東Rd.2。2月の筑波が関東Rd.1ではあるが、国際コースとなる"FSW"とあって、実質関東Rd.1と言っても過言ではないエントリー数となった。各クラス満員御礼のフルグリッドである。
エントラントによっては、「昨年末の"統一戦以来の"FSWでのレース」というブランク振りな輩も居るほど。
予選開始は午後からとなるが、午前中のプラからSTiLENiAメンバー皆、FSWのライン取りやマシンのセッティングに余念がない。
エントラントがドラミの最中、SSTとして駆け付けた"はいぱー"深野や、"SAR"こと猿渡が、エアゲージ片手に忙しなく動き回っている。その後、各マシンのウインドウを献身的に拭く姿が見える。
こういう思いやりの積み重ねで、STiLENiAは出来ている。
レースA予選
エントリー38台のうち4台がSTiLENiAから参戦となった。
V6を操る#65長老が貫禄のチームトップ、4位に着ける 。旧長老号の145を完全に自分のものとした#38トッシーが続き、元々スロースターターの#155モリリン、エンジンが吹けないパワー不足に苛(さいな)まされるも、同じくスロースターターの#607セキジュンと共に、後方グリッドから上位を狙う。
#65"長老"猪股 2'12.456 予選総合4位/クラス3位。
#38"トッシー"笹原 2'15.472 予選総合14位/クラス1位。
#155"モリリン"森本 2'18.022 予選総合26位/クラス1位。
#607"セキジュン"関山 2'19.477 予選総合30位/クラス2位。
レースB・C予選
コース上にトラブルで停まる2台。
ダンロップを過ぎたシケインの辺りだ。
何とかランオフエリアの芝生に退避するも、コース上では黄旗が振られ各マシンがスロー走行で通り抜けていく。最後は赤旗で予選終了。
ほぼ全マシンが十分なアタックが出来ずに、1〜2周の走行タイムのみで決勝グリッドが決まってしまうという、懸かる決勝に波乱含みを予感させる予選アタックとなった。
その中でも#11上松はABSエラーに悩まされながらも、貫禄の1'58.648を出し予選総合2位/クラス1位。
#10キム〜 2'01.898 予選総合8位/クラス3位の好位置に着ける。
#85タクヤ 2'02.002 予選総合9位/クラス5位。
#39西澤 2'03.026 予選総合10位/クラス6位。
群雄割拠のSR2は、トビオ、ピタオの2人がポールポジションとフロントローに着ける。
#101飛雄 2'05.603 予選総合14位/クラス1位。
#13ぴたお 2'06.130 予選総合15位/クラス2位。
#422あっず 2'09.007 予選総合26位/クラス6位。
#31すなっち 2'11.628 予選総合32位/クラス4位。
#77セガミン 2'12.351 予選総合33位/クラス3位。
#100イチロー 2'12.728 予選総合34位/クラス2位。
#15コジパパはレース前のマシントラブルにより未出走となっている。
レースA決勝
長老、スタートの1コーナーでインから#199武尾プントエヴォに刺されながらも4位を守る。3周目には予選より上のベストタイム2'11.836を刻むも後半順位を落として5位。
#38トッシーは、中盤の混戦状態の中でも果敢に攻め総合順位を落とさず総合14位を死守するも、同クラスの156TSにレース終盤オーバーテイクされる。後半セクションのダンロップでは手に汗握る攻防を展開し、最後まで必死に喰らいつくも惜しくもクラス2位。
レース後半になる程、速くなる#155モリリン。この日も得意なスタートダッシュが鮮やかに決まり、エンジンの調子は今一つながらも一気に5〜6台をごぼう抜き!1コーナーではライバルの#48 155を後塵に拝し駆け抜けて行く。終盤の強さをココFSWでも魅せつけて7ランクアップ。全4台参加の155の中でダントツの速さでクラス優勝をもぎ取った。
続いて1コーナーに飛び込んで来たのは#607セキジュン。前半、MiTo 1.4Tと1コーナーでテールトゥノーズの激しいバトルを展開。後半セクションでも別クラスの145、155と抜きつ抜かれつのアグレッシブな走りを披露し、大いにスタンドを沸かせた。セキジュンも同じく7ランクアップでクラス2位を掴み嬉しい表彰台。
#65"長老"猪股 2'11.836↗︎ 決勝総合5位↘︎/クラス5位↘︎。
#38"トッシー"笹原 2'15.548↘︎ 決勝総合14位↗︎/クラス2位↘︎。
#155"モリリン"森本 2'17.027↗︎ 決勝総合19位↗︎/クラス1位→。
#607"セキジュン"関山 2'17.448↗︎ 決勝総合23位↗︎/クラス2位→。
レースB・C決勝
スタート時間は過ぎている。
シグナルは赤のままだ。
赤旗が振られ、一台が綺麗に整列したグリッドから離れる。
紫紺の166がコース脇に佇んでいる。
「ん?前田さん?」
1コーナーのスタンドからは悔恨の溜息が漏れる。
後で聞けば、スタート直前にシフトポジションセンサーエラーのトラブルが出て無念のリタイアだったようだ。
仕切り直しで、10分近く遅れてのリスタート。
#11上松、集中力を切らさず抜群のスタートを切るも、ポールを獲ったボクスターが空かさず前を押さえる。
同じSRクラスの#85タクヤ#39西澤もスタートダッシュが決まり、ジャンプアップして1コーナーを抜けて行く。
MR300クラスの#10キム〜がスタートダッシュに失敗し、本人も後で悔やむ6台落ちの14番手で1コーナーのインを突いていく。
そのすぐ後ろには、SR2の#101トビオと#13ピタオが、それぞれインと外から並んで飛び込んで来る。
#207メガーヌにラインを孕まれ、堪らず大外まで飛び出す#422あっず。
集団の団子状態の中でも綺麗にイン側をトレースしながら抜けていく#31すなっち。
同クラスのライバル#14 黄緑145に喰らいつくように追い縋る#77 セガミン。
2周目の後続では、100RでABARTHが単独横転する波乱もあり黄旗が振られるレース展開にも、虎視眈々と辛抱を重ねオーバーテイクのチャンスを狙う#11上松。既に先を走っていた2周目にはレースB・C、ファステストの1'58.073を刻む。
レース終盤、6周目のコーラを過ぎて100Rからヘアピンで仕掛ける。ボクスターのインを突いて初めて前に出る#11上松。そのままダンロップからの後半セクションも1位を死守しながら最終コーナーを周り、ストレートに並んで入る7周目。
ここで車重の軽さから来るブレーキングポイントの違いが明暗を分ける。156GTAが150mからブレーキングするのに対し、ボクスターはその先までブレーキングランプか点かない。
1コーナーの外から仕掛けるボクスターに対して、インに着けた#11上松。ほぼ並んだ2台。
#11上松も戦闘体勢のまま1コーナーを抜けると同時に3速に押し込むが、弾かれレブる。グローブ越しに左手を確かめるように一瞬見つめる。
その間、ボクスターは一馬身先にスルリと抜けていった。ジワッと距離が開き、差が開いた。
まだ諦めるわけにはいかない。続くコーラから100Rでまた距離を縮め、300Rからダンロップではすぐ後ろまで距離を詰める。
ダンロップ出口。しかしここでまた、もどかしくも3速が弾かれてしまう。
(実は予選でもこの兆候は見られていた。予選3周目の1コーナー出口。3速に入らず弾かれレブる。堪らず#11上松が膝を叩くシーンがあった)
レースはラスト8周目を迎える、最終コーナー立ち上がりからのストレートでも3速が入らずにレブり、明らかに156GTAのミッションの調子が悪い。
最終周はミッションに負担を掛けない走りをしながらも勝ちきってみせた。レースB・C総合優勝はならなかったが、盤石でないながらも、卓越した経験を基にSRクラス優勝を手中に収めた。
#11上松 1'58.073↗︎ 決勝総合2位→/クラス1位→。
赤旗が出て思うようにアタック出来なかった予選順位だったが、決勝はキッチリとアジャストしたタクヤ。公私とも多忙な中でも表彰台をものにした。
#85タクヤ 1'58.516↗︎ 決勝総合4位↗︎/クラス3↗︎位。
ハイカム、ビッグスロットル、コンピュータと、SRを闘う準備を整えて臨んだ第2戦。
「マシンは仕上がったが人間が慣れてない〜。」と反省を口した西澤はん。惜しくも表彰台は逃したが、最高峰のSRで更なる進化に期待したい。
#39西澤 1'59.539↗︎ 決勝総合7位↗︎/クラス5位↗︎。
一時は14位までランクダウンしたが、その後5ランクアップし強豪犇めくMR300クラスで意地の3位。
「マシンは最高の仕上がりだったのに、スタートミスが悔やまれるー、分切りしたかった〜。」と反省を口にした。
#10キム〜 2'01.822↗︎ 決勝総合9位↘︎/クラス3位→。
混迷の予選で数少ないアタックチャンスをシッカリとモノにしてポールを掴んだ#101飛雄。決勝でも、上のクラスであるMR300クラスの147GTAをオーバーテイクし、圧巻の走りを披露した。開幕戦の筑波を落とした悔しさをバネに、その後は巧みなレース運びで、今回のFSWでも随所に神業的なマシン捌きを魅せ、ポールトゥウィンでSR2クラス2連勝を果たした。
#13ぴたおも惜しくも飛雄に及ばずも、安定したトップランカーな走りを披露しクラス2位。STiLENiAが1-2フィニッシュを飾った。
#101飛雄 2'05.179↗︎ 決勝総合11位↗︎/クラス1位→。
#13ぴたお 2'05.905↗︎ 決勝総合13位↗︎/クラス2位→。
スタートから別クラスのメガーヌと抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り返した、#422あっず。毎周、後半のテクニカルセクションで意地のオーバーテイクを仕掛け抜き去るも、ターボを積むメガーヌにストレートで離されるという熱いバトルを繰り返した。
本人は「SR2クラスのタイムや走りが出来なかった、、。統一戦振りのFSWでレコードラインも忘れて、自分自身に不甲斐ない〜」と後悔の念を口にしていたが、「もっと練習する!」との意気込みが次戦に繋がることを期待したい。
#422あっず 2'09.917↘︎ 決勝総合23位↗︎/クラス6位→。
最後まで同クラスのライバル145に離されまいと、必死に喰らい付き仕掛けるも、あと少しのところで力及ばなかった。それでも後方から差し迫る、格上147GTA 2台の猛追を抑えてのクラス2位は殊勲賞である。
#77セガミン 2'10.937↗︎ 決勝総合28位↗︎/クラス2位↗︎。
嘗(かつ)ての150-1クラスチャンプ、#31すなっち。当時のライバル達がマシンをアップデートしクラス替えしていく中で、自分は同クラスに留まり、身の丈にあった時間と台所事情で変わらずなスタンスでアルチャレにエントリーしている。
スプリントレースの醍醐味を知っている彼だけに、現状のマシン戦闘能力では下位に沈む結果は自ずと分かりながらも、それでも尚このレースに参戦する意味は、本人が一番分かっているのかも知れない。レースというのは結果が全てであるかも知れないが、参加する楽しさ、レース前の張り詰めた緊張感、レース後の開放から来る昂揚感と満足感。レースの魔力とも言うべき魅力がそこにある。
#31すなっち 2'11.840↘︎ 決勝総合29位↗︎/クラス4位→。
#100イチロー マシントラブルにより未出走。
次戦は"真夏の祭典"、Idlers12h耐久。
今年も、熱いモテギで最高の瞬間を皆で繋ごう!