Race Reportレースリポート
AlfaRomeo Challenge 2017 Kanto Rd.3 in FSW
『Newcomer』
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STiLENiA DRIVERS LINEUP
[SR]No.1 上松淳一 No.39 西澤嗣哲
[SR2]No.422 内海直亮
[MR300]No.88 高山雅人
[MR200]No.59 猪股義周
[AR150-2]No.37 國生政義 No.100 前田一郎
[AR150-3]No.38 笹原敏浩 No55 奥口隆弘
[AR150-4]No.607 関山淳
[AR150-5]No.155 森本聖
[AR150-6]No.510 後藤芳弘
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【富士の呪縛からの解放】
「なんだか富士には嫌われてるようで、縁が無いんですかねぇ〜」
前回、そう零した#55 奥口が、このFSWで躍動している。
レースA予選で2'12.670を叩き出し、いきなりのポールポジションの獲得である。
フロントローには、2号機マシンで一から出直しを図る#100 イチロー 2'12.698(予選総合2位/クラス1位)の僅差で詰め寄り、
同門、同クラスの#38 トッシーが2'14.165で予選総合3位/クラス2位に着ける。
#55 奥口は、昨シーズンからアルチャレに本格参戦している。
2016シーズン初戦の関東Rd.1筑波とRd.5岡山遠征で積み重ねたポイントで、150-3クラス、関東5位を掴み、CHAMPION CUPに臨んだ。
この時が初のFSWで刻んだタイムは、2'13.195。
この時は、#38 トッシーに一歩及ばず後塵を拝した。
そして迎えた2017シーズンは、前回の関東Rd.2 FSWから参戦となったのだが、まさかのマシン不調で予選を走る前からリタイアとなった。
今回の予選結果に周りからも、「ポールトゥウィン狙えるね〜」と冷やかされると、
「前回はポールトゥホームだったから、どうでしょうかね〜」と照れ笑いを浮かべる。
思わぬ「期待の大型新人=Newcomer」の登場で、レースAが俄然面白味を増してきた。
【天気もマシンコンディションも乱高下】
事前の天気予報では、ウェットが予想されたレースコンディションも杞憂に終わり、標高が高いFSWのピットに爽やかな風が駆け抜ける。
雲の流れが幾分早く感じられるがコース上空は快晴とは言えないまでも、なんとか雨雲は押し止まっている。
しかし、午前中のプラクティスでは、コースの一部でスコールがあり、路面がウェットなラインも出ているようだ。
エンラントもタイヤや減衰の調整に悩まされることとなる。
一抹の不安も感じられる空模様のなか迎えたARC関東Rd.3。シーズン折り返しとなるこのRd.、参戦を選択したエントラントは皆、少しでもポイント稼ぎたいはずだ。
そして我らがSTiLENiAからは、全12台がエントリーしている。
10:00からのレースA予選。
#55 奥口 2'12.670 予選総合1位/クラス1位
#100 イチロー 2'12.698 予選総合2位/クラス1位
#38 トッシー 2'14.165 予選総合3位/クラス2位
3位以下は、久し振りの出場となった#37 國生が2'15.011で予選総合6位/クラス3位と決勝総合上位を狙える好位置に着けると、
同じく久し振りの出場となる150-4クラス、#607 セキジュン 2'17.090で予選総合16位/クラス2位。
150-5クラス、#155 モリリン 2'17.274で予選総合17位/クラス3位。
150-6クラス、#510 ごっちゃんが2'20.753で予選総合23位/クラス2位となり、13:39からの決勝レースに皆、期待を込める。
続く11:36からのレースB・C予選で激震が走る。
ニューカラーを纏った11号を駆る#1 アゲマツがまさかのマシントラブルにより、緊急ピットイン!
2周目のアタックモード、ヘアピンを立ち上がり、カムに乗る300Rで、5-6速間ギアのシフトフォークが折れるアクシデント!!!
プラクティスを様子見で叩き出したタイムは圧巻の1'57.556を刻み、迎える決勝の期待値は、
本人含めメンバー一同高まっていただけに、突然のリタイアに誰もが茫然自失となる。
結局、決勝も諦めリタイアとなってしまった。
今回もリザルトもポイントも残せず、昨年関東チャンプのアゲマツが、まさかのノーポイント続きで年末の統一戦参戦資格が無い状態となり、アゲマツも頭を抱える。
「残りのラウンド全て出る!」と雪辱を誓う。
そんな中、同じSRクラスの#39 ヒデヨシが4Cに揉まれながらも孤軍奮闘頑張り、貫禄の1'59.436を出し、予選総合2位/クラス2位。
アゲマツ不在となるレースB・Cを引っ張る。
病気療養中で昨シーズン参戦を見送ったMR300クラスの#88 高山が久し振りにサーキットに戻って来た。
他メンバーも喜びを隠せない。本人も照れ笑いを浮かべながらも居心地の良い笑顔を魅せる。
サーキットブランクを感じさせない熱い魂のドライビングをみせ、2'03.513 予選総合8位/クラス4位。
SR2クラスただ一人のエントラントとなった、あっず。
ぴたお監督もSTiLENiAの要としてサポートに駆け付けている。
予選アタック前、そのぴたお監督からあっずが熱心にアドバイスを貰っている。
SR2クラスのライバル不在のなか、#422 あっずのモチベーションは、MR200クラスの#59 "長老"猪股を仮想ライバルに置き予選に挑む。
結果は2'09.507で予選総合15位/クラス1位で、#59 "長老"猪股の2'09.602 予選総合16位/クラス1位を、僅差で上回る。続く決勝でも2人のバトルが見ものである。
決勝レースの時間が迫るなか、150-5クラス #155 モリリンにアクシデント!!!
予選時、痛恨のエンジンブローのようだ。
Rd2.参戦を見送り、久し振りとなったFSWだったが、不完全燃焼だったに違いない。
同じTSエンジンの#607 セキジュンと決勝対決を誓っていただけに、悔やまれる結果となった。
本人も、何やらアゲマツに更なるアップデートを懇願していたので、直ぐにまたサーキットで雄姿が見られるはずだ。
【歓喜のレースA】
13:39 迎えたレースA決勝。
ポールポジションを獲得した#55 奥口がスプリント経験の少なさを物ともせず、抜群のスタートダッシュを決める。
各マシンが一斉に1コーナーへとなだれ込んでいくが、前回未出走で終わった雪辱を晴らすかのような完調となったマシンと奥口の非凡なセンスで、他を寄せ付けない圧巻のドライビングでLapを重ねて行く。
フロントローを獲った#100 イチローは、プラクティスから露見していた電気系のトラブルがこの決勝の大一番でまた再発してしまう。
スタート後、2速にUPした途端にエンジンストール。何とか1コーナーを中団にまみれながら抜け、コーラまで辿り着いたところで大事を取ってリタイアとなった。
決勝ではフロントローグリッドだっただけに、本人も無念だったに違いない。
スタートに集中し、#100 イチローのフロントローに割って入って来たのは、#38 トッシー。
#55 奥口と同じ150-3クラスとあって、気合い十分、負けられない。
今回は娘さんも応援に来ていて、なんとも微笑ましい父娘の関係だ。
終盤になるにつれ、開いていた奥口との差が徐々に詰まってくる。
同クラスの凌ぎ合い。スプリントレースの醍醐味とも言える駆け引きをSTiLENiA同士が演じている。
ダンロップから13Rに続く勾配を2台が力強く駆け上がっていく。
レースAでのSTiLENiA 1-2フィニッシュが見えてきた後塵に、赤い156が迫ってくる。予選総合6位に着けていた#37 國生だ!
スタート後、直ぐに4位に着け、終盤もう1台を交わし3位に浮上。
5Lap目には、レースAファステストを叩き出し、#55 奥口、#38 トッシーを猛追する。
決勝で覚醒し、気迫溢れるドライビングで3位に着けてSTiLENiA史上初のレースA 1-2-3フィニッシュを飾った。
この快挙に、アゲマツも自分のことのように喜ぶ。
#55 奥口 2'13.293↘︎ 決勝総合1位/クラス1位
#38 トッシー 2'13.792↗︎ 決勝総合2位/クラス2位
#37 國生 2'13.237↗︎ 決勝総合3位/クラス1位
#607 セキジュンも終始他チームライバルの147TSに揉まれながらも接戦を制し、嬉しいクラス1位で終えた。
#510 ごっちゃんも毎回エントリーし、レースを重ねるごとにスプリントレースの醍醐味を味わっている。
今回も予選よりも決勝レースでベストタイム更新し、クラス優勝を飾った。
#607 セキジュン 2'17.312↗︎ 決勝総合13位/クラス1位
#510 ごっちゃん 2'19.712↗︎ 決勝総合17位/クラス1位
【147GTA vs 白4C×2台】
1コーナーのスタンド最後列からピット横にそびえるコントロールタワーを望む。
14:59。
予定のスタート時刻を3分経過している。
そのふもとには、等間隔に並んでいるマシン達が見える。
いよいよシグナルフラッグが横一列に点灯。
一列ずつ静かに消えていき静寂から覚醒する。
各マシンがエグゾーストを響かせて、怒涛の如く1コーナーへ突っ込んで行く。
ポールポジションの#5 4Cに続き、#39 西澤が続く。直ぐ後ろにも#25 4C、#999ケイマンが控える。
前後をミドシップに挟まれながら、旧世代の感のあるFF/V6アルファが真っ向勝負している。
#5 4Cとは200m差で追い掛けるも、コーナーでは追い詰めるも、軽量化の恩恵か、ストレートでは段違いの速さで引き離されていく。
丁寧にミッションを繋ぎ、レコードラインをトレースし、必死に#39 ヒデヨシが追うも最後まで仕留めることが出来ず2位でフィニッシュ。
#39 ヒデヨシ 1'59.670↘︎ 決勝総合2位/クラス2位。
#88 高山がレースで躍動していた。
終盤Lap、ダンロップからMR300クラスの攻防を目の当たりにする。
ライバル#67 四本選手の156 3.2を鬼気迫るドライビングで猛プッシュ!!!
決勝ベストでは、1秒近く上回るタイムで、観ている者の魂を揺さぶるレースを見せてくれた。
予選より順位もタイムも上げ、嬉しい表彰台を掴んだ。
#88 高山 2'02.073↗︎ 決勝総合7位/クラス3位
#422 あっずと#59 長老。
クラスもSR2クラスとMR200クラス、排気量も2.0Lと2.5 V6の違いはあれど毎レースで攻防があり、今回SR2クラスあっず1台のエントリーということもあり、どちらに軍配が上がるのか?
決勝も案の定、毎周抜きつ抜かれつのデットヒートを繰り返し、見応えあるレースを展開した。
終盤、#59 長老のマシンにアクシデントがあり周回遅れとなった為、あっずに軍配が上がったが#59 長老もタイムではあっずに勝っており、勝ちを譲った気持ちはなく次戦持ち越し、今後も楽しみな対決となった。
#422 あっず 2'09.232↗︎ 決勝総合13位/クラス1位
#59 長老 2'08.618↗︎ 決勝総合24位/クラス3位
突然のスコールやマシントラブルに因るリタイアなどの憂き目もあったが、レースに懸け真剣にレースに臨み、それぞれがサーキットで躍動していた。確かな軌跡がそこにはあった。
【ARCA レースresult】
次戦は"真夏の祭典"、Idlers12h耐久!
今年もどんなドラマが待っているのか?