Race Reportレースリポート
AlfaRomeo Challenge 2019 CHAMPION CUP
『 明日への一歩』
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STiLENiA DRIVERS LINE UP
CHAMPION CUP
RACE A・C (AR CHAMPION CUP)
[MR300]No.3 木村隆哉
[AR250]No.321 原田好成
[AR200]No.422 内海直亮
[150-1]No.100 前田一郎
[MiTo-R]No.1 上松淳一 No.13 高梨宏幸 No.39 西澤嗣哲
[MiTo]No.11 伊藤由明 No.311 加藤英和
[AR150-3]No.50 後藤芳弘
[AR150-4]No.607 関山淳
RACE B (AR・AB CHALLENGE CUP)
[AR 4C]No.31 須永裕貴
[AB150-1]No.302 河奥晶紀
Time Attack
[AR100]No.115 笠間広幸
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【今シーズンの集大成】
FSWの東ゲートをくぐると、澄み切った青い空に、正面には白い冠を施した雪化粧の富士が雄大に映えている。
2019シーズンを終え、全国の入賞者たちが召喚され、雌雄を決するCHAMPION CUP。
毎年、この時期のFSWは冷たい雨か雪が降り、過酷なコンディションを想定しないといけないのだが、今年は暖冬なのかドライであり絶好のサーキットデイとなった。
9:25からのドラミにDr.たちが消え、ピットにはマシンが静かに佇む。この晴れ舞台に敢えてエントリーせずにメカに回ったもみっぷが忙しなく動いている。各マシンの最終チェックに余念がない。SSTも斎藤を筆頭に、あずぱー、飛雄も駆け付けてくれた。
年間ランキング上位のみが参戦資格のあるCHAMPION CUPに、STiLENiAからは11名、CHALLENGE CUPに2名、Time Attackに1名がエントリーした。
【CHAMPION CUP エントラント】
MR300クラス
#3 きむぅー(関東4位)
AR250クラス
#321 原田(関東1位)
AR200クラス
#422 あっず(関東1位)
150-1クラス
#100 イチロー(中部&関西1位)
以上がレースC。
MiTo-Rクラス
#1 アゲマツ(関東1位)
#13 ぴたお(関東2位)
#39 ヒデヨシ(関東4位)
MiToクラス
#11 よしあき(関東14位)
No.311 けんけん(関東7位)
150-3クラス
#50 ごっちゃん(関東1位)
150-4クラス
#607 セキジュン(関東1位)
以上がレースA。
【CHALLENGE CUP エントラント】
AR 4Cクラス
#31 すなっち
AB150-1クラス
#302 tutu
【Time Attack エントラント】
AR100クラス
#115 笠間
【レースに懸ける思い】
今年の統一戦も、レースA・C混走、決勝は2ヒート制と通常のカップ戦とは違うレース形式となっている。総勢50台以上になりコース上は大混戦となっている。
11:30からのプラクティス1では、#100イチローが巨艦の166を軽やかに操り2’06.927と好タイムを叩き出している。
#1 アゲマツのMiToも2’08台と調子が良い。
久し振りの参戦となった#3 きむぅーはマシントラブルによりプラクティスを走るのみで、予選以降DNS(出走せず)となってしまった。来シーズンに期待したい。
11:48からのプラ2では、CHALLENGE CUPの2人が走る。
#302 tutuのABARTHが2’04.192の好タイム。前車147GTAから箱替えしてから3年。レース復帰のこの日をずっと待ち望んでいた。
Threehundredのデモカーをスティーレでさらにチューンナップした。アゲマツが最終チェックでラジアルでFSW 2’00フラットを叩き出すマシンに仕上げた。tutu本人も練習走行で2’02台を出しており、来年からの本格参戦を睨み並々ならぬ決意を持って今日に臨んでいる。
もう1人、#31 すなっちも大切にしていた147GTAから4C Spiderに乗り換えてレースから遠ざかっていたが、今回FSWに舞い戻って来た。脚もブレーキも吊るしのままながら、2’05.567のタイムを出した。
RACE A・Cの予選アタックは午後から開始。エントラントもいつもと違うレース形式(2ヒート制)となるため予選での順位が大事な鍵となってくる。各自がその決戦に備える。
13:06。いよいよRACE A・C予選開始。
エントリーは53台。スタートは51台。
STILENIAトップは#100 イチロー!
150-1クラス #100 イチロー 2’06.703、総合10位/クラス3位。
続いてプラを見送った#39 ヒデヨシが2’09.069とMiTo-Rクラストップを獲る。総合11位/クラス1位。
#1 アゲマツ 2’10.308、総合14位/クラス3位。
同じくプラを見送った#13 ぴたおは、2’10.708で総合19位/クラス6位。
AR200クラスの#422 あっずは、2’11.844で総合24位/クラス1位。
MiToクラス #311 けんけん 2’12.480で総合27位/クラス4位。
#11 よしあき 2’17.699で総合45位/クラス11位。
AR250クラス #321 原田 2’12.695、総合31位/クラス1位。
150-4クラス #607 セキジュンは2’14.959、総合39位/クラス2位。
150-6クラス #510 ごっちゃん 2’19.474。総合47位/クラス3位。
【13:22 タイムアタッククラス1本目】
#115 笠間 2’28.143。総合24位/クラス1位。
【悲劇のクラッシュ】
14:02 レースB予選。この前のクラスでオレンジボール(メカニカルトラブルを抱えるマシンに対して出される旗)が出て、オイル漏れがコース半周に渡って撒かれた。特に1コーナーからコーラまでが酷い。このオイルラインに石灰を巻く後処理のためスタートが20分遅れた。
エントリーは30台。
ピットロードから続々とコースインしていく。
それぞれが1周を終え、ホームストレートのコントロールラインを通過しタイムアタックを開始する。
1コーナーをイン側から入る#302 tutu。147GTAがアウトからオーバースピードでオイル処理したばかりの石灰ラインを踏みリアの挙動が乱れ、立て直しもブレーキングも間に合わず、tutu号のリアを引っ叩くようにクラッシュ。
突然後ろからミサイルが飛んできたような衝撃を受け、スピンしながらコースアウト。
何が起きたのか?
見ていた者も当のtutu本人も飲み込めない。
ブランク明けで不安一杯のなか、「順位を気にせず、とにかく安全に無事に帰ってきたい。」とレース前に語っていただけに、このレースアクシデントを不運と片付けるには余りにも残酷だった。
エクストリケーションカーに同乗しマシンと共にピットに戻ってきたtutuに周りもどんな言葉も気休めにならない気がして、慰めの言葉が浮かばない。
アゲマツをはじめレースA・Cのエントラントは、既にパルクフェルメに整列していた。
#31 すなっち Best 2’17.618、総合14位/クラス1位。
【それぞれの決勝】
14:38。レースA・C決勝 第1ヒート。
1ヒート4Lapの短期決戦となる。第1&第2ヒートの順位合計が少ない数値が最終得点となるが、第1ヒートは×0.8掛となり、2ヒート目の順位がそのまま得点に加算されるため、勝負は2ヒート終わるまで分からない仕掛けとなっている。
タイスケから25分遅れでスタート。
ピットロードからペースカーに先導され、アルファロメオ江戸川 #51 高橋選手の156を先頭に続々とコースインしていく。
ペースカーがピットアウトし、コントロールラインのシグナルが赤から青に変わる。
全車ローリングスタート。
1コーナーの石灰ラインをもろともせず、一斉に各マシンが駆け抜けていく。
MiTo-Rの#1 アゲマツは、3周目には#39 ヒデヨシ、Girasole #18 村山選手、#35 4Cもオーバーテイクし、クラストップに立つ快走を見せ、5ランクアップでフィニッシュ。
上位はドンガラ大排気量のなか、内装ありラジアルの1.4Tでシングルは圧巻である。
#1 アゲマツ Best 2’09.228、総合9位/クラス1位。
#39 ヒデヨシ Best 2’10.395、総合12位/クラス3位。
#13 ぴたお Best 2’11.533、総合16位/クラス5位。
#100 イチロー Best 2’13.057、総合23位/クラス3位。
飄々としながらもプラに続き、この第1ヒートもアグレッシブな走りを披露した。
続く第2ヒートに期待が繋(かか)るも、マシントラブルによりDNS(出走せず)となった。
クラス別決勝総合3位確定。
#310 けんけん Best 2’14.221 、総合24位/クラス4位。
今年から本格参戦しレースを追うごとにランクアップしてきている。
#321 原田 Best 2’13.266、総合28位/クラス1位。
ベストだけを見ればもう少し上位に食い込めそうだったが、1年振りのFSWで50台がコース上で百花繚乱まみれるレースとなり、安全第一となったようだ。
#607 セキジュン Best 2’15.716、総合38位/クラス2位。
#11 よしあき Best 2’18.345、総合44位/クラス11位。
#50 ごっちゃん Best 2’17.895、総合45位/クラス3位。
2年間どっぷりとARCに参戦し着実にクラスアップを果たして速くなってきた。
そんな永ちゃん好きな硬派な男に突然の転勤話し。年明け早々から雪国への単身赴任が決まり、泣く泣く156を降りることになってしまった。
「直すたびに今度は違うところが不具合でて。お金と愛情かけて、色々手を入れてやっとクルマも素直になって、さらに愛着湧いてレースの楽しさも分かってきた矢先にこれだもんなぁ!
最初に転勤聞いた時も仕事の話より、えっ?156とレースどうしよう?ってそればっかり考えちゃって、今日迎えるまで悶々としてたけど降りる決心したよ。とにかく今日はラストランだから精一杯走るよ!」
息子のなつきくんも見守るなか、最高の軌跡をコースに描く。
#422 あっず Best 2’11.881、総合50位/クラス2位。
「いつものレースなら8周だけど、1ヒート4周なら、残量警告灯も点いてないしこのままイケる!」と欲をかいたのが大失敗。フォーメーションラップ時に警告灯が点灯。最終Lapの最終コーナー手前でガス欠。規定周回数(2周)はクリアしたものの、痛恨のクラス2位。第2ヒートに懸ける。
【14:59 タイムアタッククラス2本目】
#115 笠間 2’27.258。総合23位/クラス1位。
クラス別総合1位。
15:16 レースB決勝。
#302 tutuがクラッシュの憂き目に遭い、4C Spider駆る#31 すなっちが1人で孤軍奮闘する。
シグナルが青に変わった瞬間、インホームストレートのイン側を4Cの特性を生かして先方のマシンを一気に抜き去っていく。
Lotus エリーゼ220とBMW M4に挟まれながらも4CでのFSWに慣れたのか、予選とは打って変わって好タイムを刻んでいく。
中盤の攻防戦のさなか、エリーゼの前に出るが、終盤には抜き返され総合3位で終わるも、卓越したドライビングテクニックは衰えることなく健在だった。
#31 すなっち Best 2’02.079、総合3位/クラス1位。
【50台のグリッドスタート】
長針は予定時間を越えたところを指している。16:03。タイスケから20分遅れている。
エントリー53台に対し、50台のマシンが決勝のグリッドに並ぶ。
それぞれ4周しかないため、観戦ポイントを第1ヒートは1コーナー、第2ヒートはダンロップに定めていた。
遠く東側から一斉にエグゾーストノートが木霊する。ホームストレートから1コーナー、コーラ、100Rを過ぎ、ヘアピンに差し掛かる頃には尋常じゃない台数の轟音が近づいてくる気配を感じる。下りの300Rを当たる頃にはマシンが見え始め、所狭しとコース幅全てを塞ぐようにマシンが群れとなってダンロップに雪崩れこんでくる。
【薄暮を照らす光】
薄暮に沈みゆくコースを各マシンのライトが照らす。
MiTo-Rクラストップを走る#1 アゲマツを、クラス3位だった#39 ヒデヨシがテールトゥノーズで猛追する。全周に渡って2人の激しいバトルが繰り広げられたが、なんとかアゲマツが制した。年間チャンピオンに続き、統一戦もクラス制覇となり、「完璧な1年だった」と満足げ。
#1 アゲマツ Best 2’08.715、総合8位/クラス1位。クラス別決勝総合1位。
#39 ヒデヨシ Best 2’08.831、総合9位/クラス2位。クラス別決勝総合2位。
惜しくも後塵を拝したがクラス2位の追い上げは観る者を魅了した。
#13 ぴたお Best 2’09.217、総合15位/クラス5位。クラス別決勝総合5位。
#15 G-TECH ABARTH 500とデッドヒートを演じるも惜敗した。
#422 あっず Best 2’12.808、総合25位/クラス1位。
あっずが猛プッシュ!50位スタートから25ジャンプアップと驚異的な追い上げでクラス1位となり逆転優勝か?と思わせたが、第1ヒートのガス欠による総周回数差でクラス別決勝総合2位となった。
#321 原田 Best 2’12.647、総合31位/クラス1位。クラス別決勝総合1位。
#310 けんけん Best 2’14.319、総合34位/クラス7位。クラス別決勝総合6位。
#607 セキジュン Best -、総合49位/クラス3位。クラス別決勝総合3位。
2周目にクラッシュに遭い、この
第2ヒートは完走を果たせず、惜しくもリタイアとなった。
#11 よしあき Best 2’17.431、総合40位/クラス9位。クラス別決勝総合9位。
#50 ごっちゃん Best 2’19.099、総合42位/クラス2位。
レース序盤に#11 よしあきのMiToと同クラスのGirasole #14 山﨑選手の156をオーバーテイクしクラス2位までプッシュ!
中盤には2台のMiTo(後方はよしあき)に挟まれながらも、果敢に攻め第1ヒートから総合では3アップ。クラス順位も3→2位と追い上げをみせて、クラス別決勝総合2位を掴んで、有終の美を飾った。
【ARCA レースresult】
CHAMPION CUP
レースA・C決勝result
2019シーズンはMiTo、ジュリエッタ、ABRTHクラスの新設によりエントラントが増え、新たなムーブメントの広がりを見せた。定番だった156や147のこの先の趨勢(すうせい)は、155や145がメインストリームだった頃の盛衰を辿るのかもしれない。
「大好きなアルファロメオでサーキットを全開で走る。」この単純明快な動機が、そして間口の広さと敷居の低さが、我々を魅了してきたのはこれからも変わらないだろう。
各エントラントが、それぞれの想いを胸に臨むアルファロメオチャレンジ。明日からまたそれぞれが新しい一歩を歩み始める。2020年も眩ゆい光と陰が織りなす魂の軌跡を見つめていきたい。
2020シーズン、関東Rd.1は2月2日(日)筑波にて開幕戦を迎える。